応援村事務局長 池上明子さんインタビュー(2021年5月19日)

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応援村事務局長の池上明子さんへインタビュー

こんにちは!

学生応援村広報部の早稲田大学3年 新井優奈です。

5月19日(水)に、応援村事務局長の池上明子さんへお話を伺いました。

学生応援村は、応援村直属の学生組織のため、応援村と協力しながら活動を行っています。池上さんは、困ったことがあった際はいつも親切に相談にのって下さります。

私は、池上さんが書かれた全国空き家バンク推進機構のコラムを読んで、様々な想いが重なって応援村ができたことを知りました。応援村のストーリーに心を動かされたので、池上さんへ応援村の始まりの語られていない部分や応援村のこれからの展望についてインタビューをさせていただきました。

池上明子さんプロフィール
1980年、別府出身、別府育ち。早稲⽥⼤学政治経済学部政治学科卒業後、2005 年別府市役所⼊庁。2018年⼀般社団法⼈「全国空き家バンク推進機構(ZAB)」へ出向(派遣研修)、事務局⻑に就任。2019年8⽉に全国応援村実⾏委員会事務局⻑に就任。(現在は、名称を変更し、みんなの応援村実行委員会事務局長) 趣味は、海鑑賞とヨガ。

池上明子さん

池上さんインタビュー 「応援村はみんなを笑顔にしたいという理念で繋がっている」

―インタビューを快諾して下さりありがとうございます! 早速ですが、応援村の始まりをお話ししていただけますか

2019年のお正月に、「東京2020大会の時に、全国でオリンピック・パラリンピックに関われる場所を作ろうと思う。」と樋渡から言われたのが応援村の始まりです。

私は、「やりましょう!」と即答しました。みんなが楽しそうに地元の公園でスポーツ観戦している絵が見えたんです。東京2020大会という貴重な機会を国民が笑顔になる機会にできたらと思いました。

しかし、最初は苦難の時期が続きました。事務所も何もないところから始まって、企業訪問も一から行いました。しかし、絵が見えていても、「そんなこと出来るはずがない」とほとんど理解を得ることが出来なかったです。

初期は、オフィスを間借りして、ミーティングを行っていた
初期は、オフィスを間借りして、ミーティングを行っていた

―苦難の時期の印象的なエピソードはありますか

官民連携が上手くいかなかった「観客村」というイベントが印象に残っています。

東京都港区の公園で、イベント会社と自治体が協力して「観客村」という官民連携のイベントを行おうとしました。しかし、目的意識の違いから最後に決裂してしまいました。民間のイベント会社は、利潤追求をイベントの目的としていました。一方、自治体は、誰でも無料で参加して楽しめるイベントにしたいと考えていました。

「観客村」の失敗の後で、応援村についてほとんど理解が得られない中で、このままでいいのかと考えました。しかし、自分たちが正しいと思うことを貫こうと思いました。

高齢者・子ども・地方など誰も独りぼっちにしない、「みんなを笑顔にしたい」という想いが原点になりました。その想いから、「地域創生」や「コミュニティの再生」という応援村の理念が生まれました。

―どうして諦めずに苦難の時期を乗り越えることができたのでしょうか

地方のエネルギーが、応援村というシンボリックな言葉に集まったからだと思います。東京2020大会に関して、置いていかれているという喪失感が地方にありました。

With コロナの時代になったことで、オンラインで繋がりやすくなりましたが、その前はオンラインイベントを行う難易度が高かったです。そのため、応援村ができた2019年当時は、東京2020大会に関するイベントが首都圏に集中していて、地方では東京2020大会に関わる機会が少なかったです。

東京2020大会への地方の喪失感をバネにしたエネルギーが応援村の力となりました。

コロナ禍前の、2020年1月に開催された第三回全国応援村実行委員会(@大分県別府市)の様子

―応援村は東京2020大会に関連した活動から始まったのですね。どのように77億人えがおプロジェクトなど様々なプロジェクトを行う今の形に変化していったのですか

今行っている様々なプロジェクトは、「みんなを笑顔にしたいという理念で始まりから繋がっています。

私は市役所で働いていた自治体職員なので、困っている人に寄り添うというのが原点です。応援村に関わる皆さんも応援村の理念を共有しているので、オリンピック・パラリンピックに関わる活動以外も行っていくのは自然な流れでした。

―そうだったんですね。みんなを笑顔にしたいという理念は抽象的だと思います。抽象的な理念にどのような意味があるのでしょうか

私が理念の大切さに気付いたのは、市役所という個別事例を扱う職場で理不尽な現実に向き合った経験からです。現実と理念のギャップがあるから、ギャップを埋めようと法や制度が整備されていくことを学びました。

市役所で働いていた時に、家庭環境などにより自分の力ではどうしようもない悩みを抱えている人々にたくさん出会いました。自治体職員は、困ってる人々のために法や制度を武器として戦います。しかし、目の前で困っている人がいる現実に法や制度が整備されるまでの時間が追い付いてないんです。タイムラグを埋めるために、一人一人が問題意識をもってどのような社会にしていきたいのかという理念をもつことが大切だと思います。

別府市役所入庁の記念写真

―なるほど!理念が現実を動かしていくんですね。池上さんはどのような社会にしていきたいと考えていますか

いじめなど完全になくすことが困難な問題に対して、諦めない社会にしていきたいです。困難な問題でも、具体的に一つ一つ問題を減らしていくための現実的な手法を考えていく必要があります。

また、現実的に問題を解決していくためには、仲間が必要です。理念だけでは仲間を増やせないので、具体的な取組を通じて巻き込んでいくことが必要です。応援村では、理念の具現化として様々なプロジェクトを行っています。プロジェクトと理念、具体と抽象を行き来しながら、問題に対して取組んでいます

応援村は、たくさんの仲間と協力しながら活動を行っている

―応援村で現実的な問題に直面した時に、具体的にどのように乗り越えていったのでしょうか

例えば、オリパラという言葉を応援村で使用することに、東京2020組織委員会から理解を得られないという問題がありました。問題を解決したのは、基礎的な自治体職員としての業務の積み重ねの経験でした。市役所での地道な窓口業務や条例の制定をして得た技術が生かされたので、どんな仕事にも意味があると感じました。

―現在、コロナ禍で東京2020大会の開催に関して議論が行われています。このような状況で、これから応援村はどのように活動を行おうとしていますか

コロナ禍で状況が常に変化しているので、抽象から具体化する際に、風を読むことが大切です。決まったこと淡々としているのでは、プロジェクトも陳腐化してしまいます。官民連携で広い視野を持ちながら風に乗ることを意識しています。

例えば、現在えがおプロジェクトを発展させて「選手応援村」という全国の子どもたちから、選手の笑顔を募集するプロジェクトが動き出しています。コロナ禍で、スポーツ選手やスポーツを頑張っている子どもたちが社会情勢に翻弄されています。今、頑張っている人々を「選手応援村」で応援できたらと思っています。

みんなの応援村が実施した「77億人えがおプロジェクト」

インタビューを終えて

全てを記事にすることはできませんでしたが、これまでの経験を生かして強い理念をもって応援村の活動を行っていらっしゃる池上さんの生き方に学ぶものが多くありました。

池上さん、貴重なお時間をありがとうございました!

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